NPO法人築地居留地研究会 ホームへ戻る
NPO法人築地居留地研究会 イベントの説明
外国人居留地研究会全国大会とは
築地あじさい祭りとは
定例研究会とは
  研究報告会・イベントスケジュール
第11回 外国人居留地研究会全国大会 in 築地
第11回 外国人居留地研究会全国大会 in 築地第11回 外国人居留地研究会全国大会 in 築地
・テーマ: 「居留地と女子教育」
・日 程:2018年11月3日(土) 13:00~17:00

   3日(土): 全国大会 (於:聖路加国際大学)
         基調講演: 小檜山ルイ氏
                (東京女子大学教授)
   4日(日): エクスカーション 旧築地居留地跡


第11回 外国人居留地研究会全国大会
  2018年11月3日(土)13:00~
■ テーマ:「居留地と女子教育」
・会場: 聖路加国際大学アリス記念ホール 
・総合司会: 村上伊作 (当会・理事)
・主催者挨拶: 水野雅生 (当会・理事長)
・来賓ご挨拶: 矢田美英氏 (中央区長)
・来賓ご挨拶: 福井次矢氏 (聖路加国際大学長・聖路加国際病院長)
・基調講演: 小檜山ルイ氏 (東京女子大学教授)
・シンポジュウム:コーディネーター 中島耕二 (当会理事)

■ 懇親会 於:クレストンホテル32階 プラシャンティ 
・ご挨拶: 神木哲男氏 (全国外国人居留地研究会会長)
・ご挨拶: 渡辺明良氏 (聖路加国際大学法人事務局長)
・ご挨拶: 陣内秀信氏 (中央区立郷土天文館館長)
・ご挨拶: ジョアンナ・シェルトン氏 (築地居留地在住宣教師子孫、元OECD事務次長)

■ 二次会 於:銀座カフェー パウリスタ (銀座8丁目)
・小講演: 「カフェーパウリスタ」 長谷川泰三 (カフェーパウリスタ5代目社長、現相談役)

2018年11月4日(日)10:00~
■ エクスカーション 旧築地居留地跡 案内 中島耕二、村上伊作


■ 全国大会の様子を写真で紹介 (写真クリックでウインドが開きます)
 11月3日(土)
  大会会場
 11月3日(土) 4日(日)
  懇親会/二次会/エクスカ―ション
研究報告会 「特別講演会」 

・日時:2018年9月22日(土) 14:00~16:00
・場所:聖路加臨床学術センター 3階3302号室
     東京都中央区築地3-6

・テーマ:築地居留地跡地に建つ塩瀬総本家 「塩瀬660年の歩み」

・報告者:川島英子 (かわしま えいこ) 塩瀬第34代当主・取締役会長

・エクスカーション:居留地跡散策 16:10~16:40

■ 特別講演: 14:00~16:00


講師の川島英子氏

発表レジュメ

報告会風景

講師の著書

集合写真 聖路加国際病院礼拝堂前
今回の報告会は、旧築地居留地17番2(現在の明石町7-14)に建つ、塩瀬総本家の34代当主で現在、取締役会長を務める川島英子氏にお願いし特別講演会として開催された。
川島会長は老舗和菓子屋の経営者に留まらず、豊富な知識に裏打ちされた著書も出版され、一級の文化人として良く知られている。
本日の講演では、660年を遡る僧林浄因による塩瀬創業の話、ある日の墓参りからルーツを知ることになった話、塩瀬の家訓を守りながら御夫婦で苦労を重ねて事業の発展を遂げた話、その一つ一つが感動を伴う話であった。
また川島会長が大正13(1924)年の生まれと聞き、誰もがその元気と変わらぬ聡明さに驚かされた。
講演後、著書『まんじゅう屋繁盛記・塩瀬の六五〇年』(岩波書店、2006年)の頒布会とサイン会が行われが、購入者ひとりひとりに丁寧にサインをされている川島会長の姿にまた感動させられた。



■ エクスカ―ション: 旧居留地跡と塩瀬総本店の店内見学

村上理事による案内

塩瀬総本店入口

塩瀬総本店内部

塩瀬のお饅頭


■ 講師を囲んでの茶話会

茶話会風景

茶話会風景

水野理事長の点茶

水野理事長の点茶
講師の川島会長を囲み茶話会を開いたが、会長の日々感謝してその日を過ごすことが大切という人生哲学を伺い元気を戴き、当研究会水野理事長による点茶により、抹茶と塩瀬まんじゅうが出席者に配られ、文字通り楽しく美味しい茶話会となった。

研究報告会
・日時:2018年7月28日(土)14:00~16:00
・場所:聖路加国際大学4階 402号室

・テーマ:「築地と横浜」

・報告者:斎藤多喜夫(さいとうたきお)
       横浜外国人居留地研究会・会長
       横浜開港資料館・横浜都市発展記念館元調査研究員


■ 研究報告会: 14:00~16:00


講師の斎藤多喜夫氏

テキスト

報告会風景

講師の著書(1)

講師の著書(2)

集合写真 聖路加国際病院礼拝堂前
報告会の開始に当たって水野雅生理事長から挨拶そして大島房太郎理事の司会によって斎藤多喜夫講師の紹介が行われた。
斎藤氏は長く横浜開港資料館の調査研究員として勤務され、その間研究成果を論文として多数発表され、また横浜の近代史に関する著書も多く、居留地研究に関しても第一人者として著名である。
講演では開国に伴い設置された居留地の開港場と開市場の違いから説かれ、居留地と雑居地、居留地の範囲、居留地と日本人の関係、領事制度と治外法権等居留地に関する法的根拠を分かり易く、めずらしい資料など実例を示して話され、従来我々が漠然と理解していた居留地をより明確な理解へと導いて戴いた。
後半は築地居留地と横浜居留地間の蒸気船、乗合馬車の運営と経営、製靴業起業のかかわり、ミッション・スクール等を取り上げて説明され、これらが横浜から築地に伝承されて行ったことを示された。築地居留地研究に取って横浜居留地を知ることの重要性を改めて認識させられる講演であった。

当日は台風の迫る中にも拘わらず、50人近い参加者を得て、参加者の皆さんの熱意がほとばしる充実した研究会となった。



■ エクスカ―ション: 台風のため中止

■ 講師を囲んでの茶話会: 台風のため中止

*台風接近のため、残念ながらエクスカ―ションおよび茶話会を中止としたが、
  安全第一のためご了承ください。

研究報告会 「築地あじさい祭」 
・日時:2018年5月19日(土)14:00~16:00
・場所:聖路加臨床学術センター 3階 3301号室
     東京都中央区築地3-6

・テーマ:「PHILLIP FRANZ VON SIEBOLD AND HIS FAMILY」
・報告者:Constantin von Brandenstein-Zeppelin博士
             フィリップ・フランツ・フォン・シーボルト子孫
             ブランデンシュタイン家当主・城主

・テーマ:「外交官アレクサンダー・フォン・シーボルトの見た明治日本」
・報告者:堅田智子(かたださとこ) 博士(史学)
             上智大学文学部特別研究員・非常勤講師、

・ハインリッヒ・フォン・シーボルトの子孫関口忠志氏とイネの女系子孫の方々も
 特別参加

■ 特別講演: 14:05~14:45


講師 フォン・ブランデンシュタイン博士(飛行船のツッペリンの子孫でもある)

プレゼンテーション資料

講演終了後フォン・ブランデンシュタイン博士が日本におけるシーボルト子孫たちを紹介
今回はドイツにおけるシーボルトの子孫(次女マティルデの子孫)コンスタンティン・フォン・ブランデンシュタイン=ツェッペリン博士、翌日の5月20日(日)に香取市で 開催される「伊能忠敬翁没後200年記念式典」にご参加のため来日され、当研究会・水野理事長の依頼で、今回、特別講演が実現した。
フォン・ブランデンシュタイン博士には「フィリップ・フランツ・フォン・シーボルトとその家族」と題した講演をして頂いた。
1796年現・ドイツ・ヴュルツブルクでヨーロッパでも有数の医学の名門に生を受けたシーボルトがどのような理由と経緯で日本・長崎へやって来たのか、また彼のヨーロッパにおける功績、日本人妻との娘イネ、さらにあまり知られていないシーボルトの息子たち、長男アレクサンダー、次男ハインリッヒの日本における活躍についてお話をして頂いた。
 フォン・ブランデンシュタイン博士は講演の最後に、「シーボルトの子孫、私の日本における遠い親戚」として、ハインリッヒの子孫関口忠志さんと奥様、イネの女系子孫のご家族の方々を教壇に呼び、聴講の皆さんに紹介。 シーボルトの子孫たちが、この日この築地・明石町で集う事になった。


■ 研究報告会: 14:45~15:55

講師 堅田智子博士

テキスト

報告会風景
『外交官アレクサンダー・フォン・シーボルトの見た明治日本』と題し、シーボルトの二度目の来日に同行し、約40年にもわたり明治外交官であった長男・アレクサンダー・フォン・シーボルトについて、アレクサンダー研究第一人者、堅田智子(かたださとこ)博士(上智大学非常勤講師)に講演をして頂いた。
ドイツ・日本を中心に発行されたデーター、そして詳しい年表に従った解説は、きめ細く非常に分かり易かった。
次男ハインリッヒ(オーストリー在日代理公使)の協力もあり、日墺修功通商条約締結、初のウイーン万国博参加、岩倉使節団、不平等条約改正、佐野常民との協力により博愛社(後の日本赤十字社)設立、華族そして勲章制度の導入、日本の欧州共同体への加入、そして明治憲法制定等、広報能力の乏しかった明治日本の基礎固めに尽力した。 その功績は極めて大きいものであった事を知る。



■ 集合記念写真とシーボルト胸像

集合記念写真

前列左3名がイネの女系子孫の方々、
真ん中が次女マティルデの子孫フォン・ブランデンシュタイン博士、右2名が次男ハインリッヒの子孫関口忠志氏と奥様

あかつき公園にあるシーボルトの胸像
時空を超えた子孫達の集いにシーボルトも嬉しげに見える

■ 講師を囲んでの茶話会: 16:45~17:50

あかつき公園に咲くあじさい

茶話会で質問に答える堅田講師

大勢の参加者
フォン・ブランデンシュタイン博士は香取市・市長との先約、またイネの女系子孫の方々は所用で残念ながら茶話会に参加できなかったものの、ハインリッヒの子孫関口忠志氏をはじめ48名もの大勢の方が参加される堅田智子講師を囲んでの茶話会となった。 
出席者の中にはシーボルト研究者も多くおられ、突っ込んだ質疑応答もあり、内容の濃い茶話会となった。

研究報告会
・日時:2018年3月24日(土)14:00~16:00
・場所:聖路加国際大学 4階 402号室
     中央区明石町10番1号

・テーマ:「築地と初期プロテスタント受洗者たち
      ―粟津高明と二川一謄を中心に―」

・報告者:中島 一仁 横浜プロテスタント史研究会会員


■ 研究報告会: 14:00~15:35


中島一仁講師

テキスト

報告会風景

講師を囲んでの記念写真
(402号室から)
報告会の開始に当たって水野雅生理事長から挨拶そして大島房太郎理事の司会によって中島一仁講師の紹介が行われた。
中島講師は勤務先が築地の近くにあり、従来から気になっていた場所と話されてから、本題へと入られた。

築地居留地は商取引の互市場としてより、1873(明治6)年2月の切支丹禁制の高札撤去以降、キリスト教各派による布教の拠点となったことに触れ、中でも同年9月20日に東京で最初に設立されたプロテスタント教会の東京基督公会(現、新栄教会)に注目し、その初期信徒である粟津高明と二川一騰を例に、彼らの入信に至る経緯および彼らのキリスト教理解がナショナリズム(=民族主義)を背景にしていたものであったことを分かり易く論証された。
同講師は最後に、最初期の日本人プロテスタント入信者たちが目指したものは何であったのか、洋魂の中に「和魂」が存在していたのではないか?と投げかけて報告を閉じられた。
中島講師は周到に先行研究を調べ、また自身で新史料に当たり、粟津高明および二川一騰の従来知られていなかった出自なども明らかにされた。次回の報告会が待ち遠しいと感じる「報告会」となった。



■ エクスカ―ション: 16:00~16:30

青山学院記念碑の前で
(中島耕二理事の説明)

中島一仁講師とともに


■ 講師を囲んでの茶話会: 16:40~17:50

茶話会風景

松田敏雄会員の報告

隅田川ライトアップ資料

第二会場での有志懇親会
エクスカーション後、講演会場の402教室に戻り、中島一仁講師を囲んで茶話会が開かれ、質疑応答が行われた。
また松田敏雄会員から「橋のミュージアム・隅田川のライトアップ川道について」があり、松田氏たちの地道な文化運動の成果として、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、隅田川に架かる橋のライトアップが画期的に改善されるとの特別報告が行われた。

研究報告会
・日時:2018年1月13日(土)14:00~16:00
・場所:聖路加臨床学術センター 3階 3302号室
     中央区築地3-6

・テーマ:「築地居留地跡に建つ聖路加国際病院の歴史と
      創設者トイスラー博士の偉業」

・報告者:藪 純夫
      聖路加国際大学学術情報センター大学史編纂・資料室、
      NPO法人築地居留地研究会理事


■ 研究報告会: 14:00~15:45


聖路加国際大学理事長
糸魚川順先生

藪 純夫講師

報告会風景

報告会資料

講師を囲んでの記念写真
定例研究報告会に先立ち、当研究会の水野雅生理事長から新年の挨拶があり、続いて会場をお借りしている学校法人聖路加国際大学の理事長糸魚川順先生から聖路加国際大学の最近の状況等も含めご挨拶を戴き、先生にはそのまま定例報告会にもご参加戴いた。

今回の報告会は、聖路加国際大学学術情報センター勤務、当研究会理事の藪純夫氏に講演戴いたが、同氏は大学史編纂・資料室でアーカイブズ事業に携わっておられ、聖路加国際病院の創設者トイスラー博士について語って戴くには最適の講師となった。
講演は多数のパワーポイント映像とともに、築地居留地の始まりからポカホンタスを先祖に持つトイスラー博士の生い立ち、築地居留地廃止後の1900(明治33)年に来日、佃島に開いた施療診療所、旧居留地明石町37番地に開業した築地聖路加病院、博士の看護教育への情熱そしてその後の病院の発展の歴史を藪講師の柔らかな口調とともに、時にユーモアを交え分かり易く丁寧にご説明を戴いた。
最後に、トイスラー博士生前の貴重フィルムとして、1930年の大震災後の聖路加国際病院建設定礎式(高松宮ご夫妻参列)の模様および翌1931年の大リーガー来日時のトイスラー博士との交流風景の特別映写があった。
今日の聖路加国際病院およびその創立者トイスラー博士について、今まで知らなかった数多くのことを学ばせて戴き、参加者は皆、知的充足感を覚え大満足であった。



■ エクスカ―ション: 16:10~16:40

いざトイスラー記念館へ

トイスラー記念館内部

聖路加国際大学聖ルカ礼拝堂
藪講師の案内で、普段一般公開していない大学の中庭にあるトイスラー記念館、1933年建設の旧病棟および1936年建設の聖ルカ礼拝堂を見学した。礼拝堂は病院の中心として、各階の病棟から患者さんが礼拝に出席出来るように設計されていた。荘厳かつ静謐な佇まいの礼拝堂内部は、自然に信仰心を抱かせる空間になっている。


■ 講師を囲んでの茶話会: 16:20~17:40

茶話会における藪講師

茶話会風景

第二会場での懇親会
エクスカーション後、講演会場の3302教室に戻り、藪講師を囲んで茶話会が開かれた。
茶話会には、聖路加国際病院元看護部長・副院長の要職を務められた内田卿子さんをはじめ聖路加病院及びその周辺の戦前、戦中、戦後を知る多くの人が参加され、貴重なお話を聞く機会となった。
出席者は過去最高の44名であった。

研究報告会
・日時:2017年11月25日(土)14:00~16:00
・場所:聖路加臨床学術センター 3階 3302号室
     中央区築地3-6

・テーマ:「重ね地図に見る東京の街と文化の変遷」
・報告者:小島豊美 一般社団法人 地歴考査技術協会代表


■ 研究報告会: 14:00~15:30


報告者 小島豊美氏

報告レジメ

報告会風景

集合記念写真

講師を囲んでの茶話会

近くのとんかつ屋で二次会
報告会に先立って水野理事長より、11月18日・19日に神戸にて行われた居留地研究会全国大会2017の報告がなされた。
今回の定例報告会は、講師に小島豊美氏(地歴プロデューサー)を招き「重ね地図に見る東京の街と文化の変遷」について講演して頂いた。
小島氏が制作された江戸・明治・平成3層地図を用い、この地図の制作に至るまでの苦労話からこの地図の今後の発展可能性について語る。単なる平面地図でなく、重ね地図にする事により時代の移り変わり、多面的情報を読み取る事が出来ると力説。
開港前の幕府の諸事情、安政5カ国条約、築地居留地決定、居留地・相対借地(雑居地)、そしてその周辺の移り変わりを地図を用いての説明がなされた。講演中にもかかわらず多くの参加者からの多くの質問が出され、質疑応答は講演時間内に終わらず、講演終了後に行われた「茶話会」にまで引きずるほどの盛況な講演会となった。



茶話会は聖路加国際病院旧棟前で記念写真撮影後、講演会が行われた教室に戻り16:20より17:30まで30名余りの参加者でもって行われた。会場では講演で使われた重ね地図をそのままスクリーンに投影したままにし、講演会の質疑応答の続きという感じで、継続活発な質疑応答、意見交換がなされた。

「茶話会」終了後、近くのとんかつ屋さんで、有志による2次会でさらなる話に花を咲かせる。

第10回 外国人居留地研究会全国大会 in 神戸
・日時: 2017年11月18日(土)~19日(日)
・会場: 神戸 相楽園会館
・テーマ:「開港都市の異文化受容」
・エクスカ―ション:神戸港開港150周年の神戸港クルージング/神戸外国人墓地
■ 全国大会の様子を写真で紹介 (写真クリックでウインドが開きます)

11月18日(土)
 研究報告/パネルディスカッション/懇親会
11月19日(日)
 エクスカ―ション
研究報告会
・日時:2017年9月30日(土) 14:00~16:00
・場所:聖路加国際病院旧館 5階研修室

・テーマ:「築地居留地の料理人」
・報告者:村上 隆
      元読売新聞社大阪本社記者、京都国立博物館ナビゲーター



■ 研究報告会: 14:00~15:30


報告者 村上隆氏 

報告会風景

野村高治直筆西洋料理レシピ

『築地居留地の料理人』表紙

集合記念写真
水野理事長の挨拶に続いて、村上隆氏から本日の報告の元となった『築地居留地の料理人』(清風堂書店、2017)の著者野村高治(1850~1931)および村上氏と共同編著者の村上百合子氏との関係が説明され、築地居留地の料理人であった野村高治は旧信州松代藩士で村上百合子氏の祖父にあたり、村上百合子氏は村上隆氏の母堂であることが知らされた。
野村高治は明治8(1875)年頃築地居留地に現れ、外国人宅の使用人となり料理法を覚え、明治16(1883)年9月に「高等料理法 西洋料理手引きの記」として書き残した。
当時、野村のような外国人宅の使用人となった日本人は少なくなかったが、記録として西洋料理のレシピを書き残したのは、現在のところ野村高治一人であり、その記録は近代文化史上貴重な史料と言え、これを解読して後世に伝えた村上百合子氏の業績は高く評価されて良いと思われる。
村上氏のメリハリの利いた分かり易い説明で、築地居留地の新たな「史実」を知ることができた。大いに感謝である。
一点、このレシピがアメリカ聖公会女性宣教師「マダム・ペリー」の直伝とする村上氏の説明は、ペリー宣教師の来日が明治22(1889)年であったことを考えると、時代にズレがあり再考を要する。



■ 講師を囲んでの茶話会:
  16:35~17:45
■ 講師との会食会
  (茶話会終了後、於:玉寿司本店)

研究報告会 「平成29年7月度 若き研究者による研究報告会」
・日時: 2017年7月22日(土) 14:00~16:00
・場所: 聖路加国際大学 3階302号室
     東京都中央区明石町10-1 (聖路加国際大学筋向かい)

・テーマ1: 『祖先國輝画“東京築地鉄砲洲景”から考察する築地未来都市計画』
       報告者: 萩小田 大我
             早稲田大学創造理工学部建築学科一年

・テーマ2: 『明治東京における外国人の「居住空間」と築地外国人居留地』
       報告者: 梁 煕晶(ヤン・ヒジョン)
             韓国梨花女子大学大学院史学科博士後期課程
■ 研究報告会: 14:00~15:30


日野原重明先生

水野雅生理事長挨拶

黙祷

報告者の萩小田さん

一曜斎國輝画「東京築地鉄砲洲景」錦絵 (ミズノプリンティングミュージアム所蔵)

報告者の梁(ヤン)さん

梁さんのプレゼン

ミニ・シンポ(中島理事司会)
報告会に先立って水野理事長の挨拶の中で、当研究会の最高顧問とも言うべき聖路加国際病院名誉院長の日野原重明先生が、去る7月18日に105歳で天に召されたことが報告され、出席者一同で黙祷を捧げた。
先生には、2013年11月の第6回外国人居留地研究会全国大会での講演、2014年11月の「居留地中央通り」・「居留地通り」の銘板落成式における祝辞等いつも温かいご支援を戴いた。(「これまでのイベント」参照ください)

報告会は、将来の研究会を背負って行く若き研究者二人が登場。萩小田さんは、大作「東京築地鉄砲洲景」の錦絵で有名な一曜斎國輝の子孫で、現在早稲田大学で建築学を学んでいる。
本日の報告では、先祖ゆかりの地であり、かつて外国人居留地があった築地を再び国際交流の場として甦らしたいとして、高校生時代に製作した設計模型を用い熱いプランを発表戴いた。これからの中央区の文化拠点としての旧築地居留地の復活を考える若い研究者に拍手。
梁さんは現在、韓国の名門梨花女子大学で、築地居留地をテーマに博士論文をまとめている大学院生。この報告会のために昨夜ソウルから来日した。去年は慶應義塾大学に一年間研究留学し、その間11月の居留地全国函館大会に当研究会メンバーとして参加、実地体験を重視する研究姿勢は素晴らしい。
報告は日本の開国後全国に居留地が設置される中、首都東京に外国人居留地がどのように形成され、それが歴史的にどのような意義を持っていたかという視点で、現在の研究過程を報告戴いた。日本語も美しく完璧で、一日も早い博士論文の完成を願ってやまない。

二人の報告後、約30分中島理事の司会で、パネルデスカッションを開いた。
二人の築地居留地研究の動機や今後の研究者としての考えを質問、またフロアから研究へのアドヴァイスなどもあり、あっという間に時間となった。
最後に、事務局から来る11月18日(土)~19日(日)に神戸で開催される第10回居留地全国大会のお知らせと参加への誘いが行われた。



パネルデスカッション終了後、
国際病院旧館玄関前に移動し 講師と参加者で記念撮影
■ 講師を囲んでの茶話会: 16:20~17:40

質問に答える梁さん

模型で説明の萩小田さん

恒例の初参加者の自己紹介
茶話会は、報告会会場に戻り、水野理事長の挨拶、大島房太郎理事の司会で開幕。
萩小田さんの頼もしい築地未来都市計画の話から、日本橋上の高速道路の地下化、勝鬨橋再開、築地市場の再開発、築地ホテル館の再建へと話題が広がり、中央区のこれからに目が離せないということになった。
最後に、若い二人の研究者の今後の発展と活躍を祈って、定時に散会した。

尚、当研究会は昨年初めて外国人講師(アメリカからシュルトン女史)による研究報告会を開き、今年は韓国から梁さんの報告があり、国際化が進んで来た。また今回は若い研究者に発表の機会を提供できたが、NPO法人の研究会として今後も社会的貢献を果たす努力を続けていきたいと考える。

研究報告会 「築地あじさい祭り」
・日時: 2017年5月27日(土) 14:00~16:00
・場所: 聖路加国際大学4階402号室 中央区明石町10番1号
・テーマ:「次世代のシーボルト父子研究 ~シーボルト没後150年を経て~」
・報告者:関口 忠相(シーボルト子孫) (株)しーぼるとぷろだくしょん COO
■ 研究報告会: 14:00~15:30


報告者の関口忠相氏

報告レジメ

報告会風景

報告者と一緒に集合写真
報告会は大島房太郎理事の司会により、水野雅生理事長挨拶、中央区 長島育夫区民部長殿ご挨拶に続いて、シーボルトの7代目ご子孫関口忠相氏のご報告に入った。
築地あじさい祭りと言えば例年、講師はお父上のシーボルトの6代目ご子孫の関口忠志氏と決まっていたが、今年は同氏が病み上がりのため大事をとって奥さま同伴でオブザーバーとして出席、ご子息の忠相氏がシーボルト研究の継承者として代役をされた。
ご報告は継承者の自覚のもと、父忠志氏のように自分は研究者ではないと謙遜されながらも、シーボルトの子孫としての役割について熱く語り、多数の参加者に大きな感動を与えて戴いた。
尚、質疑の時間にはどうしても父忠志氏の出番が必要となり、同氏から病躯を押して幾つもの質問に丁寧なご説明を戴くことが出来た。



■ エクスカ―ション: 15:40~16:00

報告会のあと国際病院チャペル前で記念撮影を行い、その後水野理事長の案内であかつき公園内のシーボルト像の見学を行った。

■ 講師を囲んでの茶話会: 16:15~17:30

茶話会風景(1)

茶話会風景(2)
茶話会には38名が参加し、大いに盛り上がった。講師をされた関口忠相氏と共に手術後11日目にも関わらず、お父上の関口忠志氏も最後までお付き合いを戴いた。
今回の報告会、エクスカーションおよび茶話会に参加されたお一人に、「東京訪問中に東京の友達に誘われて会に参加した」という長崎県佐世保から来られた方がおられた。「今回の講演を聴き、シーボルトの娘イネのみならず、ドイツで生まれた長男、次男も幕末に来日し、その後日本で長年活躍していたことを知り感激しました」との感想を伺い、築地居留地研究会の役割はこれではないかと関係者一同、意を強くさせられた。 

研究報告会
・日時: 2017年3月25日(土) 14:00~16:00
・場所: 聖路加臨床学術センター 3302号室 中央区築地3-6
     (聖路加国際大学筋向かい)
・テーマ:築地居留地に萌芽・発展した看護の高等教育
      「聖路加国際病院付属高等看護婦学校」と「聖路加女子専門学校」
       について
・報告者: 渡部 尚子 
       聖路加国際大学特任教授 、NPO法人築地居留地研究会理事
■ 研究報告会: 14:00~15:30


講師の渡部尚子先生

研究報告会風景

報告会資料
今回の定例研究報告会は、聖路加国際大学特任教授で当研究会理事の渡部尚子先生に講演戴いた。
先生は聖路加を卒業後母校で教鞭をとられた後、ドイツで看護職の経験をされ、帰国後は埼玉県立衛生短期大学・埼玉県立大学に勤務し、退職後、再び母校で大学史編纂資料室アーカイブズ事業に従事されている。
講演は1880年代の日本の近代看護教育の始まり、その後のわが国の看護教育・看護の状況、そして明治末から大正期にかけて看護婦が増加する一方で、質の向上が進まない中、聖路加国際病院の創設者トイスラー博士が優秀な看護婦の育成の重要さを認識し、看護教育に情熱を傾けて行く姿を報告され、大変興味深く拝聴した。
聖路加での看護教育は、1920年に米国から招聘した宣教看護教師セントジョンによって開始され、それは当時の米国での看護教育と同等レベルと謳われた。授業は全て英語、生徒の入学資格は高等女学校卒業以上、看護職としての適性がなければ退学もさせるという高度で厳しいものであった。聖路加では太平洋戦争前後から「高等看護教育」への取り組みが開始され現在に至っているが、聖路加の卒業生はわが国看護界において、看護の実践・教育・研究・行政分野においてフロントランナーとして活躍している、として講演を閉じられた。



■ エクスカ―ション: 15:30~16:00


講師と集合写真

聖路加国際大学聖ルカ礼拝堂

トイスラー記念館内部(通常非公開)薮理事の熱の籠った説明

パイプオルガンについて薮純夫理事による説明。J. S. バッハが生きた時代の「北ドイツ・バロック様式」を基本にしたスタイルのパイプオルガン。フランスのガルニエ・オルガン工房製。
1988年12月11日に奉還礼拝が行われた。
トイスラー博士の夢の実現として、1933年に建設された旧館前で講師を囲み記念撮影を行い、1936年建設のチャペル内を見学した。このチャペルは当時病院の中心として、各階の病棟から患者さんが礼拝出来るように設計されていた。床、壁、天井から照明器具の全てがアンティークそのものと感じられる。
チャペルの見学の後、大学の中庭にあるトイスラー記念館を訪ねた。普段一般公開していない内部空間の見学に、参加者はやや興奮気味であった。

■ 講師を囲んでの茶話会: 16:00~17:30

茶話会風景(1)

茶話会風景(2)
エクスカーション後、講演会場の3302教室に戻り、渡部先生を囲んで茶話会が開かれた。
参加者は看護教育の歴史という渡部先生の研究テーマに新鮮な驚きと関心を覚え、活発に質問が寄せられ、あっという間に定刻となり時間の経過を忘れるほどであった。

研究報告会
・日時: 2017年1月14日(土) 14:00~16:00
・場所: 聖路加臨床学術センター 3302号室 中央区築地3-6
     (聖路加国際大学筋向かい)
・テーマ:「中央区は江戸の先進な情報発信地 -長崎屋と須原屋-」
・報告者: 竹内 誠 
       文学博士、江戸東京博物館名誉館長、徳川林政史研究所・所長、
       中央区名誉区民
■ 通常総会: 13:00~14:00


通常総会

報松井監事による会計監査報告
大島房太郎理事の司会により開会が宣せられ、総会出席者定数を満たし総会成立の旨が報告された。
議長に理事長の水野雅生氏を選任、以降第1号議案から第5号議案まで審議が行われ、全議案とも賛成多数で承認となりつつがなく総会を閉じた。

■ 研究報告会: 14:00~16:00


水野雅生理事長の新年挨拶

中央区長嶋育夫区民部長殿ご挨拶

竹内誠先生

報告会風景

講演レジュメ

講師と集合写真
今回の研究報告会は元東京江戸博物館館長で、現在は同博物館名誉館長の竹内誠先生をお招きして、「中央区は江戸の先進的な情報発信地-長崎屋と須原屋―」のテーマでご講演を戴いた。
まず「下町」とは「御城下町」の意であり、「日本橋より数町四方、東は両国川、西は外濠、北は筋違橋・神田川、南は新橋の内」が下町であったと伺い、現在の我々のイメージと違うことを知らされた。やがて先生の博学は泉の如く溢れ、かつ分かり易くユーモアを交えて「江戸」を語って戴き、参加者にとって聴くこと全てが新たな学びとなった。



■ 講師を囲んでの茶話会: 16:00~17:30

茶話会風景(1)

茶話会風景(2)

講演の続き?
講演会場をセットし直し、竹内先生を囲んで茶話会を開催した。
先生の沢山の話の中で印象に残った一つに、李氏朝鮮の日本と中国に対する外交姿勢の違いがあった。日本に送られた使節は「通信使」と呼ばれ徳川時代265年間に12回であったが、明・清の中国への使節は「燕京使」と呼ばれ500回近くに及んだ。この違いは何なのか、日本・中国・朝鮮の東アジアの歴史を考える時、多くの示唆に富んだお話を伺うことが出来た。
その後、いつもの通りこの研究会に初参加の方に自己紹介をお願いし、皆さまから歴史に対する熱い思いを語って戴き、盛会裡に茶話会を閉じた。

研究報告会
・日時: 2016年11月26日(土) 14:00~16:00
・場所: 聖路加臨床学術センター 3303号室 中央区築地3-6
     (聖路加国際大学筋向かい)
・テーマ:「外国人居留地と近代警察」
      ~維新の志士たちによる近代警察の創設~
・報告者: 鈴木 康夫
       横浜外国人居留地研究会会員、警察政策学会警察史部会会員
■ 研究報告会: 14:00~16:00

鈴木康夫講師 報告会風景-1 報告会風景-2 報告会パネル-1

報告会パネル-2

報告会レジュメ

講師と集合写真
今回の研究報告会は横浜外国人居留地研究会会員で、元神奈川県警の各地の署長を歴任された鈴木康夫氏をお招きして、「外国人居留地と近代警察」についてお話を戴いた。
詳しいレジュメと分かり易いパワーポイントを併用されて報告されたが、レジュメの「はじめに」において、近代警察制度は「国難を招く『外国人殺傷事件の防止』と維新に伴う混乱からの『国内治安確立』のために整備が急がれた」ものと明確に定義されたことから、その後の報告が鈴木講師の歯切れの良い説明と共にスムーズに理解することが出来た。
ペリー来航から説き起こされ、明治維新を経て近代警察のモデルとなった「蘿卒」がいかなるもので、その制度化にイギリスの介入があったことなど、報告内容はほとんど我々が知らないことばかりで、外国人居留地との関係や日本の近代化と並行して整備されていった近代警察制度を知る良い機会となった。

■ 講師を囲んでの茶話会: 16:00~17:30

茶話会風景

鈴木講師と水野理事長

和やかな茶話会風景
研究報告会のあと鈴木講師を囲んで同じ会場で茶話会を催したが、この席でも「鈴木元署長」に研究を始められた動機を尋ねることから始まり、熱心な質問が相次ぎ大いに学習効果をもたらす茶話会となった。


第9回外国人居留地研究会全国大会 in 函館
・日時: 2016年10月15日(土)~17日(月)
・会場: 函館 金森ホール
・テーマ:「開港・開市とフランス」
・エクスカ―ション1:函館元町エリア (はこだて外国人居留地研究会案内)
・エクスカ―ション2:遺愛女子高校、五稜郭、函館山 (築地居留地研究会自主)
・大沼国定公園散策
■ 全国大会の様子を写真で紹介 (写真クリックでウインドが開きます)

10月15日(土) 研究報告/懇親会 10月16日(日) エクスカ―ション 10月17日(月) 大沼国定公園散策
研究報告会
・日時: 2016年9月24日(土) 14:00~16:00
・場所: 聖路加臨床学術センター 3303号室 中央区築地3-6
     (聖路加国際大学筋向かい)
・テーマ:「芥川龍之介生誕地に関する新資料」
・報告者: 野口孝一 
       元中央区総括文化財調査指導員・東京都立大学大学院修士課程修了
■ 研究報告会: 14:00~16:00

講師:野口孝一先生 報告会風景 報告会レジュメ 芥川生誕地屋敷図
報告会集合写真 エクスカ―ション エクスカ―ション
今回の定例研究報告会は、元中央区総括文化財調査指導員を務められた野口孝一先生にご講演を戴いた。今回は水野雅生理事長が体調を崩され、検査入院と言うことで、大島理事から理事長の開会挨拶のメッセージが代読された。
野口先生は長く神奈川県立高校の教諭をされ、退職後中央区郷土資料館、中央区立郷土天文館に勤務された。その間、多数の著書を出され、特に『銀座煉瓦街と首都民権』(悠思社、1992年)と『銀座物語』(中公新書、1997年)は良く知られている。また、築地居留地研究会の発足時の発起人のお一人でもあった。
本日のご講演は、芥川龍之介の築地居留地生誕説を新資料によって検証するというもので、芥川の生誕が1892(明治25)年3月1日、東京市京橋区入船町8丁目1番地であり、この地が元播州浅野家の上屋敷跡地であったこと、維新後五代友厚が政府から借用し、五代没後は妻のトヨの名義に変更され、ここを1887(明治20)年に芥川の実父新原敏三が転借りし、搾乳と牛乳販売業を営む耕牧舎を開業したことを史料によって示された。芥川が生まれた入船町8丁目1番地は、1893(明治26)年10月に居留地57、58番および12月に59、60番として組み込まれ、新原一家は芝区新銭座に転居したが、この事実から、芥川が生まれた時はまだ生家は居留地になっていなかったことが実証された。
また、当時の牛乳業全体のお話もあり、芥川の実父新原敏三が同業者の中でも府下有数の牛乳販売者であったことを知ることができた。野口先生の史料に基づく丁寧なご説明は、参加者の歴史理解を深め、感動を呼ぶ報告会となった。


■ 講師を囲んでの茶話会 (聖路加国際大学6階601号室) 16:40~18:00
茶話会:野口孝一先生 茶話会風景 中島理事教会制度講義
講演終了後、小雨の中、野口先生の案内で芥川龍之介生誕の地を巡るミニ・ツアーを実施し、その後茶話会会場に移動した。
大島理事の司会、中島理事の乾杯によって和やかに会が始められ、参加者からは野口先生への質問も多数あり、中でも芥川が生まれた時に当時の習慣で一旦自宅の近くに捨てられたが、その場所が教会の前とあったが、築地居留地には教会がたくさんあり、どの教会であったかなど楽しくも歴史事実として確認すべき重要な課題も投げかけられた。恒例により初めて参加された方から順次自己紹介を戴き、是非会員登録をお願いしたいとして茶話会を終了した。

シェルトン女史特別講演
・日時: 2016年9月14日(水) 18:00~19:00
・場所: 聖路加臨床学術センター 3303号室 中央区築地3-6
     (聖路加国際大学筋向かい)
・テーマ:「A Christian in the Land of the Gods」
・報告者: Ms. Joanna Reed Shelton
       (元米国政府職員) 作家・アレキサンダー宣教師曾孫
■特別講演: 18:00~19:00

シェルトン女史 著書表紙 水野理事長開会挨拶 講演中のシェルトン女史

レジュメ英文と訳文併記 通訳:村上伊作理事 通訳:村上伊作理事

講演風景 ユニオン・チャーチ 集合写真 ミニ・ツアー風景
旧42番(現明石小学校)
今回の特別講演は、1877(明治10)年にアメリカ長老教会宣教師としてエマ夫人と共に来日し、現在の明治学院大学の前身である築地大学校教授・舎監、明治学院神学部教授として、築地居留地に11年弱住んだトーマス・T・アレキサンダー博士の曽孫となるジョアンナ・R・シェルトン女史をお招きして講演を戴いた。
シェルトン女史は1980年のある日、叔母からアレキサンダー博士の日記を見せられ、日本伝道に生涯を捧げたアレキサンダー博士に強い共感を覚え、伝記をまとめる決心をし、何度も日本に来られ、博士のゆかりの地、ゆかりの施設、ゆかりの人々を訪ね、取材を重ね、関連の史料や文献を渉猟し、昨年11月念願の伝記を完成、出版された。当研究会では築地居留地と深い関わりのある祖先を持つ、シェルトン女史の来日の機会を捉え、特別講演会を実施したが、初めての外国人講師による研究報告となり、外国人居留地の研究会に相応しい企画となった。
通訳およびレジュメの翻訳に奉仕戴いた村上伊作理事ならびに大島房太郎理事に感謝致します。


■ 出版記念会食会 聖路加タワー47階レストランLuke 19:40~21:30

講演後、シェルトン女史と一緒に博士一家の住んだ居留地ゆかりの場所である、旧居留地42番、27番、6番Bおよび9番Bを訪ね先人を偲び、その足で会食会の会場に向かった。
会食会では、シェルトン女史の隣に空席の特別席を設け、その隣に通訳として村上理事が座り、誰が来てもシェルトン女史とゆっくり会話が出来る工夫をし、参加者からはお礼と感謝が寄せられ、またシェルトン女史自ら各テーブルを回って、気さくに会話の機会を作られていたが、さすがに元外交官と感じられた。楽しい国際交流の時間はあっという間に過ぎてしまった。
居留地のあったあの頃も、この場所でこんな時間があったのだろうかと帰りがけにふと思わされた。

研究報告会
・日時: 2016年7月23日(土) 14:00~16:00
・場所: 聖路加国際大学 6階 602号室
・テーマ: 「水都中央区の歴史と築地居留地の発掘調査」
・報告者: 陣内秀信 法政大学教授 工学博士 中央区立郷土資料館 館長
■ 研究報告会: 14:00~16:00

講師:陣内秀信教授 報告会風景 報告会資料
報告会集合写真 湊二丁目遺跡発掘現場
今回の定例研究報告会は、建築史家として著名な法政大学工学部教授陣内秀信先生にご講演を戴いた。
先生は現在、中央区立郷土資料館(タイムドーム明石)の館長および中央区都市整備審議会会長も務められ、中央区および築地地区ともに深く関わっておられる。
本日のご講演は、旧築地居留地を含む現在の中央区河岸一帯が、徳川家康の江戸入府以降6~7回にわたる埋めたてによって造成され、縦横に川と運河が張り巡らされた「水都」であったこと、および現在行われている旧居留地雑居地区の湊二丁目の発掘調査について、江戸から明治期に至る時代毎の異なる遺構が発見され、埋め立てによる町づくりの歴史的変遷を知る上で重要な調査になっているとのご報告を戴いた。
「水都中央区」については、先生が長年調査研究されているイタリアの水の都べネツィアとの比較が随所で行われ、豊富なご経験と知識によるお話を分かり易くご説明戴き、参加者は皆大満足の様子であった。
報告会後、先生のご案内で湊二丁目の遺跡発掘現場の見学ツアーを行った。



■ 講師を囲んでの茶話会 (ミズノプリンティングミュージアム5階) 16:30~18:00

陣内秀信教授ご挨拶 茶話会風景 水野理事長オランダ・ドイツ調査旅行報告
ミズノプリンティングミュージアム5階ホールをお借りして、大島理事の司会により茶話会を開催。
水野理事長の挨拶、野口孝一氏(次回9月定例報告会講師・元築地居留地研究会理事)のご発声で乾杯。続いて講師の陣内先生からベネツィアのお話を交えたご挨拶を戴き、雰囲気も和んだところで、初めて研究会に参加された方から自己紹介を兼ねて逐次ご挨拶を戴いた。
その後、水野理事長から6月にシーボルトの調査のため、オランダおよびドイツを訪問した「ビデオ報告」が行われ、シーボルト・ファミリーの日本に残した足跡の大きさを改めて知る機会となった。
本日は、研究会初参加を機に本会に入会戴いた方が何人かおられ、我々の地道な研究会活動が徐々に稔りつつあることが確認され、うれしい一日となった。

研究報告会 「築地あじさい祭り」
・日時: 2016年5月21日(土) 14:00~16:00
・場所: 聖路加国際大学 4階 402号室
・テーマ: 地あじさい祭り 「我が先祖、Siebold兄弟と異母姉イネと築地居留地」
・報告者: 関口 忠志 (シーボルトご子孫)

■ 研究報告会: 14:00~15:45

講演風景 講演風景 講師の関口忠志氏 鳳恵弥さんと黒田勇樹さんによる手紙朗読
左から関口忠相氏、女優の鳳恵弥さん、俳優の黒田勇樹さん、関口忠生氏、水野理事長 関口氏から研究会にイネの
手紙額装(レプリカ)寄贈
講演のレジュメ

今年の第6回築地あじさい祭は、大シーボルト没後150年記念講演と銘打って、シーボルトご子孫の関口忠生氏に「我が先祖、Siebold兄弟と異母姉イネと築地居留地」のテーマで講演を戴いた。
関口氏は体調不十分ながら、ご子息の関口忠相氏のサポートのもと、近年のシーボルト研究動向およびイネの生涯についてご子孫以外知り得ない史実を交え熱のこもった話をされ、聞く側もいつの間にかシーボルトの世界に引き込まれていった。
また、イネからアレキサンダーへの本邦初公開となる手紙や子の誕生を喜ぶハインリッヒから妻のハナへの日本語の手紙、我が子の夭折を悲しむハナから夫ハインリッヒへの手紙、ハインリッヒから妻ハナへのいたわりの手紙が、女優の鳳恵弥さんと俳優の黒田勇樹さんによって交互に、さすがプロという朗読があり、十分とは言えないコミュニケーションの中にも肉親間の愛情が溢れ、参加者にとって一層シーボルトファミリーが身近に感じられる講演となった。
参加者は100名を数え「築地あじさい祭」が、年々進化し一大イベントになって来ていることを実感させられた。



■ 居留地エクスカ―ション: 16:00~16:50
築地居留地研究会水野雅生理事長と築地食のまちづくり協議会山崎徳子さんによるコラボ・エクスカーション。

参加者記念撮影 あかつき公園の大シーボルト胸像 築地場外市場にある波除神社
■ 茶話会: 16:50~18:00

乾杯風景 根岸友憲氏 関口忠相氏、鳳恵弥さん、黒田勇樹さん挨拶
今回はNPO法人築地食のまちづくり協議会のご協力によって、築地場外市場の千社額棟の一室をお借りして開催。講師の関口忠志氏ご夫妻、忠相氏、鳳さんおよび黒田さんを囲み、大島房太郎理事の司会のもと水野理事長挨拶、中島耕二理事の乾杯の発声後、和やかに茶話会が開かれた。
席上、関口氏のご学友で熊谷の根岸友山・武香ミュージアム館長の根岸友憲氏から、ヘンリー・シーボルト(アレキサンダーの弟)が、明治10年同地に調査旅行した際に根岸家に一週間滞在したお礼として贈られた、ギリシャのタナグラ人形風のテラコッタ小像の現物が紹介され、新たな知見を戴いた。参加者は38名の多数に登った。

研究報告会
・日時: 2016年3月26日(土) 14:00~16:00
・場所: 聖路加国際大学 3階 302号室
・テーマ: 「山田耕筰と西洋音楽と築地居留地」
・報告者: 宮崎 将一郎 (NHKディレクター)

■ 研究報告会: 14:00~16:00

水野理事長の挨拶 講師:宮崎将一郎氏 報告会風景 報告会記念集合写真
開会にあたり水野理事長から去る3月11日に93歳で逝去された当研究会前理事長、清水正雄氏に対する感謝と追悼の挨拶が行われた。3月15日に通夜、16日に葬儀・告別式が築地本願寺において執り行われ、水野理事長が弔辞を述べられたので全文を掲載致します。
・弔辞
今回の定例報告会は、水野理事長も取材を受け出演した、昨年10月2日のEテレで放送された「時代を楽譜に刻んだ男 山田耕筰」の担当ディレクター宮崎将一郎氏お招きして講演を戴いた。また日本楽劇協会理事長で山田耕筰の養女でもあられる山田浩子氏も出席され、本報告会の厚みが増すことになった。
講演は、山田耕筰という人物をどう描いていくか、特に戦時中の彼の行動に対する評価をどう扱うか議論を重ねたことなど、番組製作過程におけるディレクターとしての苦労話を含め、山田耕筰の生涯を丁寧かつ歯切れの良い言葉で分かり易くご説明戴いた。
山田耕筰の天賦の才能とそれを支えた西洋音楽に対する情熱を改めて知る機会となった。また宮崎氏は山田耕筰が多感な幼少時代を築地居留地で過ごし、そこで触れた和洋の旋律や外国人の影響が大音楽家山田耕筰の原点となったことに言及されたが、築地居留地が日本の近代文化の発展に寄与した一例として、我々築地居留地研究者にはうれしい発題であった。
出席者は73名を数え、講演後の質疑も活発に行われ充実した報告会となった。



■ 旧築地居留地エクスカ―ション

エクスカ―ション風景
■ 講師を囲んでの茶話会 (ミズノプリンティングミュージアム5階ホール): 16:30~18:00

乾杯風景 山田浩子氏のお話
エクスカ―ションの後、会場をミズノプリンティングミュージアムに移し、宮崎将一郎氏および山田浩子氏を囲んで茶話会を持った。
大島房太郎理事の司会のもと水野理事長の挨拶、続いて長谷川浩一理事の音頭で乾杯を行った後、特別に山田浩子氏から父山田耕筰について身内でなければ知りえない貴重なお話を伺った。
また、初めての参加者から一人ずつスピーチをお願いし、その中には本日新たに研究会に入会された方が何人もおられ、大いなる喜びとなった。
茶話会には36名の出席があり、賑やかに研究報告会の余韻を楽しみつつ、次回報告会での再会を約して散会となった。

研究報告会
・日時: 2016年1月16日(土)
・場所: 聖路加国際大学 3階 301号室
<総会>(会員) 13:00~13:40
<研究報告会> 14:00~16:00
・テーマ: 「立教学院 草創期の人々 -学びの舎の変遷と理念-」
・報告者: 広田 勝一 (立教学院院長)

■ 研究会通常総会: 13:00~13:40

通常総会・議案 水野理事長による報告・説明 通常総会風景
大島房太郎会員の司会により開会が宣せられ、総会員数54名中、出席会員31名、委任状9名、よって総会成立の旨が報告され、議長に理事長の水野雅生氏を選出。
第1号議案から第7号議案まで審議が行われ、全議案とも賛成多数で承認となりつつがなく総会を閉じた。

■ 研究報告会: 14:00~16:00


講師・広田勝一立教学院長 配布レジメ 報告会風景 報告会記念集合写真
日本聖公会北関東教区主教である広田勝一立教学院院長による「立教学院と草創期の人々―学び舎の変遷と立教の理念―」と題してご報告いただいた。立教関係の方々など多くの方の参加があり、最多の83名の出席者だった。
米国聖公会C・M・ウィリアムズ主教によって1874年2月3日築地に私塾が設立され、同年中に「立教学校」となり、入舟町へ移転、火災によって一時中断するが、1876年新栄町、1879年京橋区築地、さらに1882年居留地37番に、1894年の大地震によって校舎崩壊。1896年ガーディナーの描いた築地居留地の俯瞰図の中に見られる六角塔を持つ校舎が居留地57~60番に完成。1918年池袋に移転。その間、立教学校―立教大学校―立教学校―立教尋常中学校と立教専修学校―訓令12号への対応から立教学院、と名称を変え、1907年専門学校令に基づき立教大学の設置。それを支えた多くの米国聖公会の宣教師、日本のキリスト教関係者の話など、築地時代の貴重な写真も数多く見せていただきながら興味深い報告がなされた。
最後に、ヘブライ人への手紙13:8「イエス・キリストは、きのうも今日も、また永遠に変わることのない方です。」を基に「変わらない理念(究極的理性概念)が立教を変える」を立教大学のモットーとしていると結ばれた。



■ エクスカーション及び茶話会: 16:00~18:00


立教学院発祥の地 ミズノプリンティングミュージアム見学 講師・広田学院長を囲んでの茶話会 参加者との交流
聖路加国際病院の前で記念撮影をしたのち、場所をミズノプリテック(株)の会議室に移して茶話会。それに先立って、ミズノプリンティングミュジアムを見学。立教関係のOB、BSA、ウィリアムズ会、日本聖公会川越キリスト教会の方々、さらに一般会員など最多数の出席。
質疑応答の時間が設けられ、
問:「立教の訓令12号の対処の仕方が、どのように他校とは異なる選択だったのか」
答:「学校でのキリスト教教育は行われず、寄宿舎の中でずっと守られてきた」
その他各活動の活発な意見交換があり、嬉しい誤算で飲み物とつまみも多くは行き渡らなかったが、皆和気あいあいと充実感に満ちた雰囲気の中、散会となった。

研究報告会
・日時: 2015年11月28日(土) 14:00~16:00
・場所: 聖路加国際大学 602号室
・テーマ: 「築地時代の工手学校ー工学院大学のルーツ」
・報告者: 吉田 司雄 (工学院大学教授)

■ 研究報告会: 14:00~15:45


吉田教授ご報告 報告会風景 配布冊子 報告会記念集合写真
築地居留地研究会と云えばミッション・スクール発祥の地とのイメージが強いが、今回はちょっと毛色の違った「築地時代の工手学校―工学院大学のルーツ」とのテーマで工学院大学:吉田司雄教授にご報告頂いた。
1887年(明治20年)12月、当時東京帝国大学総長渡辺洪基は自費と各界からの寄付金で工手学校を創立した。
翌年9月に南小田原町4ノ8の元築地病院(経営ヘンリー・フォールズ)跡地に新校舎が完成し草分けの私立工業学校としてスタート、現在の工学院大学のルーツである。
文明開化後の明治、工業立国を目指す日本にとって科学技術導入は必至であり、近代建築、電気設備、通信技術、機械などに関する新技術を現場の職工に如何に解りやすく具体的に指導・理解させる橋渡しの役目の人材育成が急務であった。
吉田教授の文学的な視点にウエイトを置いたユニークな観点からのご報告、楽しく拝聴させて頂いた。

■エクスカーション及び茶話会: 16:00~18:00

工学院大学発祥の地 吉田教授による説明 茶話会 水野理事長
挨拶
茶話会 乾杯 吉田教授との談笑

第8回外国人居留地研究会全国大会 in 神戸
・テーマ: 「居留地の運営とその意思決定」
・日時: 2015年10月31日(土)~11月1日(日)

    31日 研究発表およびパネルトーク: 於:神戸女子大学 教育センター
         函館、神戸、大阪(川口)および横浜の各研究会から発表
         東京(築地)、長崎は発表見送り
          懇親会: 於:神戸倶楽部

     1日 旧神戸居留地エクスカ―ション
         (築地居留地研究会メンバー単独で実施)

■ 大会の様子 13:30~17:30


全国大会会場
神戸女子大学教育センター
NPO法人神戸外国人居留地研究会神木哲男理事長 開会の挨拶 研究会発表会場 研究発表レジュメ
■懇親会 18:00~20:30


懇親会会場
伝統ある神戸倶楽部
懇親会の一コマ 懇親会の一コマ 懇親会の一コマ
■ エスカーション 11月1日 9:30~15:30


JR三宮駅前 エクスカ―ション いざ出発 旧居留地 煉瓦製下水道遺構現在も使用中 神戸市立博物館 旧神戸外国人居留地のジオラマ 旧居留地戦前のジオラマ

旧居留地15番館
昼食会場レストランTooth Tooth
海外移住と文化の交流センター
(旧国立移民収容所)見学
神戸居留地研究会員熊谷氏
(エクスカ―ションご案内人)と
エクスカ―ション無事終了モザイクのレストランで乾杯

研究報告会
・日時: 2015年9月26日(土) 14:00~16:00
一般公開講演・パンフレット・場所: 聖路加国際大学 602号室
・テーマ: 「カナダメソジスト教会と婦人宣教師の働き」
・報告者: 深町 正信 (東洋英和女学院長)
■ 研究報告会:14:00~15:45


深町院長ご報告 報告会場風景 テキスト(ミス・カートメル宣教師) 報告会記念集合写真
深町正信院長には、青山学院長当時の2008年2月に、当研究会で「青山学院の教育理念と築地居留地」のテーマで報告を戴き、研究会誌『築地居留地』第4号(2011年発行)にも寄稿戴いている。
今回は「カナダメソジスト教会の婦人宣教師の働き」について、東洋英和女学院を中心に報告戴いた。カナダメソジスト教会派遣の宣教師および婦人宣教師の来日、東洋英和女学院の初代校長マーサ・J・カートメル女史および築地居留地に居住したカックラン、マクドナルド、イービー、ミーチャム、モーリス等の各宣教師の伝道事業を丁寧かつ分かり易くご報告を戴いた。
カナダメソジスト教会の日本における尊い教育事業が、静岡、山梨、東京、青森等広範にわたることを改めてご教示戴いた。

■ 東洋英和女学院 村岡花子文庫展示コーナー見学:16:45~17:30


東洋英和女学院
正面入口
小チャペル 旧校長室 講堂兼礼拝堂 花子コーナーと
村岡美枝様
報告会終了後記念の集合写真の撮影を行い、その後聖路加国際病院から東洋英和女学院に地下鉄で移動。
史料室谷川祐子先生のご案内により、普段入構できない校舎内を見学。
講堂兼礼拝堂と荘厳なパイプオルガン、旧校長室、小チャペルなどを拝見でき、ミッション・スクールの稟とした建学の精神に触れることが出来、貴重な体験をさせて戴いた。
村岡花子文庫コーナーでは、花子女史のお孫さんの村岡美枝様がお忙しい中、駆けつけて下さり展示の解説とご案内を戴くことが出来た。
このコーナーは村岡家から花子女史の母校に遺品が寄贈されて新たに開設された。
村岡美枝様の「自宅にあったものがなくなって若干淋しい気もしますが、より多くの方々に見て戴くことの方がうれしい」というお話が印象に残った。村岡花子女史の息遣いに触れることができた。

■ 茶話会(東洋英和女学院):17:30~18:30


茶話会水野理事長挨拶 お茶とジュースで乾杯  深町正信院長ご挨拶  
深町院長先生のご好意により東洋英和女学院同窓会の一室をお借りして茶話会を開催した。
大島理事の司会、水野理事長の挨拶、中島理事の音頭によるノンアルコール乾杯でスタート。
講師の深町院長からご挨拶を戴き、その後、参加者全員による自己紹介を行った。
参加者の皆さんによるユーモア溢れるスピーチに、会場は大変和んだ雰囲気に包まれ、楽しく交流がはかられた。
11月28日(土)の次回研究報告会での再会を約して散会となった。

研究報告会
・日時: 2015年7月25日(土) 14:00~15:45
・場所: 聖路加国際大学 602号室
・テーマ: 「教文館の創業物語-築地・銀座とのかかわり」
・報告者: 渡部 満 (株式会社教文館取締役社長、本会法人会員)
■ 研究報告会:14:00~15:45


教文館物語小冊子 報告会風景 講師 参加者集合写真 村岡ご姉妹
渡部社長のソフトな語り口と分かり易い解説によって、1885(明治18)年にアメリカのメソジスト教会の宣教師によって組織された教文館が、幾多の試練を経て明治、大正、昭和戦前期と発展して来た歴史を知ることが出来た。
青山学院との関係、印刷所の福音印刷への譲渡、関東大震災後に日本ミッション同盟の経営する日本基督教興文協会との合併、その縁による村岡儆三と村岡花子との関わりなど、興味が尽きない内容であっという間に時間が来てしまった。
尚、8月1日~31日まで、創業130周年記念展「教文館ものがたりー明治・大正・昭和・平成の130年ー」が教文館3階ギャラリーステラで開催される。

■ 茶話会(教文館7階ゲストルーム):16:30~18:00

渡部社長のご好意により会場を教文館7階のゲストルームに移して、茶話会を開催した。
大島理事の司会、水野理事長の挨拶と入会の勧め、中島理事の乾杯の音頭でスタート。講師の渡部社長からご挨拶を戴き、初参加の方から自己紹介と報告会の感想を一言づつお願いしたが、一言、二言では終わらない方もいて、和気あいあいのうちに交流がはかられた。
9月26日(土)の次回研究報告会での再会を約して散会となった。


教文館ゲストルーム
での茶話会(乾杯)
渡部社長の歓迎の
挨拶
 初参加者の自己紹介
と感想
 

研究報告会
・日時: 2015年5月23日(土) 14:00~16:00
・場所: 聖路加国際大学 601号室
・テーマ: 「我が先祖 ハインリッヒ.von.シーボルトと築地居留地・延遼館・新富座」
・報告者: 関口 忠志 氏 (日本学術会議・日本歴史史学会・洋学史学会会員)
■ 研究報告会:14:00~15:30


報告会風景 講師 聖路加国際大学学長
井部俊子先生ご挨拶
質疑応答 テキストの
ハインリッヒ冊子
著名なフィリップ・シーボルトの長男アレキサンデルは在日英国公使館参事官から明治政府の外交顧問となり活躍し、二男のハインリッヒはオ―ストリー・ハンガリー帝国の在日公使館一等書記官、代理公使を務めるなど兄弟二人して日本との深い関わりを持った。
特にハインリッヒは日本女性岩本花(はな)を夫人に迎え、一(はじめ)、オットー(於菟)およびレンの三人の子の
父親となったが、本日の講師の関口忠志氏はハインリッヒの曽孫で、レンの孫に当たる。研究報告はハインリッヒおよび兄のアレキサンデルの明治外交に残した業績を中心に、周辺の異母姉の楠本イネおよび関口氏の祖母岩本花についても言及され、いずれの話も身内でなければ知り得ない貴重なもので、出席者は大いに知見を広める機会となった。 尚、忠志氏のご長男忠相氏がパワーポイントを担当され、ハインリッヒ子孫の親子コラボによる温かい報告会となった。

■ 築地居留地エクスカ―ション・茶話会・ミズノプリンティングミュージアム見学

研究報告会終了後、三班に分かれ水野雅生理事長、村上伊作理事および中島耕二理事の案内で旧居留地の散策、その後講師の関口忠志氏・忠相氏を囲んでミズノ・プリンティングの食堂を無償でお借りして茶話会が実施された。また、茶話会の合間には希望者に階上のミズノプリンティングミュージアムの見学会も行われた。
ミズノプリンティングに感謝致します。


エクスカ―ション寸描 ミュージアム見学風景  

研究報告会
・日時: 2015年3月28日(土) 14:00~16:00
・場所: 聖路加国際大学 6階601号室
・テーマ: 「工部省一等技手中澤孝政と洋式灯台」
      *中澤孝政は元尼崎藩士、現在の中央区入船二、三丁目、湊三丁目は
        尼崎藩上屋敷跡地。
・報告者: 中島 耕二 (当研究会理事、明治学院大学客員教授、中澤孝政子孫)
  ■ 研究報告会:14:00~15:30

報告会風景講師講師テキストの一部矢田中央区長のご挨拶
日本の開国に伴い諸外国からやってくる大型船舶の航行の安全のため、洋式灯台の設置が求められ、お雇い外国人技師の指導のもと幕府続いて明治政府によって工事が進められた。
摂津国尼崎藩の築城責任者であった中澤孝政は、維新後藩によって明治政府の徴士に推挙され洋式灯台建設の初代日本人技師となった。
鹿児島県佐多岬燈台、千葉県銚子犬吠埼燈台、福岡県玄海灘烏帽子燈台など全国の多数の燈台建築監督を務め、日本の近代化を縁の下から支えた一人となった。
中澤孝政の属した尼崎藩は、現在の中央区入船二、三丁目、湊三丁目の一帯に幕末まで上屋敷を置いていた。中澤孝政は講師の中島耕二氏の祖母の祖父にあたる。

■ 茶話会:16:00~17:30

研究報告会の後、入船三丁目の区集会所に移動し講師を囲んで茶話会を開いた。多数の出席者を得て、全員持ち回りで一人一人自己紹介を行った。それぞれ歴史への飽くなき探求心を発露され、時間の経つのも忘れるほどの集会となった。時間が来て、惜しみつつ次回の研究報告会での再会を約して散会した。
 
茶話会乾杯風景茶話会自己紹介

総会・卓話・新年会
・日時: 2015年1月24日(日) 14:00~17:00
・場所: ミズノプリンティングミュージアム
     (東京都中央区入船2-9-2 電話:03-3551-7595)
・通常総会: 14:00~14:50
・研究報告: 15:00~16:00
    テーマ: 「築地に所縁のある坂本龍馬」
    報告者: 水野 雅生 (NPO法人築地居留地研究会)
・ミュージアム見学及び懇親会: 16:00~17:00 会費無料
■ 通常総会:14:00~14:50



大島房太郎会員の司会により開会が宣せられ、総会員数50名中出席会員36名、委任状0名、よって総会成立の旨が報告され、議長に理事長の水野雅生氏を選任、以降第1号議案から第7号議案まで審議が行われ、全議案とも賛成多数で承認となりつつがなく総会を閉じた。

■ 研究報告会(卓話):15:00~16:00



・テーマ:「築地に所縁のある坂本竜馬」
・報告者:水野雅生(NPO法人築地居留地研究会理事長)
昨年11月に行われた同氏による研究報告会の後、多数の出席者から「聴き足りない」、「是非続編を」という声が上がり、今回このリクエストに応じて連続して報告会が行われた。土佐の漁師から幕臣に取りたてられたジョン万次郎、土佐藩から江戸留学を命ぜられ江戸藩邸のあった築地界隈を闊歩した坂本竜馬、築地の中津藩中屋敷で始まった慶應義塾の創立者福澤諭吉らを中心に、幕末から明治に到る彼らの働きを辿り、歴史の必然性と偶然性、その面白さを報告して戴いた。

■ ミズノプリンティングミュージアム見学会>



研究報告会終了後、ミズノプリテック(株)殿の好意で、6階にあるミュージアムの見学会が行われた。グーテンベルグ時代に発明された印刷機(複製)をはじめ、数々の古今東西の印刷に関わる貴重な資料が展示され、見学者の見聞を大いに広げる機会となった。

■ 懇親会



見学会の後、研究報告会の会場で懇親会を持った。研究会として初めての試みであったが、20名近い会員が出席し、一人一人自己紹介を兼ねて挨拶を行い懇親を深めた。最後に、今後の「築地居留地研究会」の充実・発展を相互に確約して散会した。

「居留地中央通り」及び「居留地通り」銘板落成式
・日時: 2014年11月22日(土) 12:30~13:00
・場所: 明石小学校運動場の交差点
■ 銘板落成式

 道路愛称名が決まり、落成式のテープカットが行われました。
 中央小学校の生徒達によるブラスバンド演奏で花を添えて頂きました。






研究報告会
・日時: 2014年11月22日(土)  14:00~16:00
・会場: 聖路加国際大学 3階 302号教室
・テーマ: 「築地初めて物語 - 築地に所縁の深いジョン・万次郎、坂本龍馬、
       福澤諭吉に学ぶ -」
・報告者: 水野 雅生 (NPO法人築地居留地研究会理事長)
■ 研究報告会



サブタイトルにあるように築地に所縁の深い人物や事項を多数取り上げ、彼らやそれらがどうのように日本の近代化とかかわったのかを、学説だけではなく、エピソードも加えながら楽しく報告が行われた。
特にジョン万次郎については、遭難からアメリカに渡った経緯、アメリカ時代の生活と帰国後の幕府登用など詳細にわたって説明が行われ、更に現在におけるジョン万次郎を縁とする日米の交流状況について、報告者の活動をもとに報告があった。続編を期待する声が多数聞かれた。

定例研究会
・日時: 2014年10月25日(土)  14:00~16:00
・会場: 喫茶「アラジン」アラジンの地図 (ラ・ヴェール明石町1階)
・会費: 無料(飲食代は各自負担)

第7回 外国人居留地研究会全国大会
・テーマ:「開国160周年 日本近代化の扉を開く ~横浜と音楽~」
・日 程: 2014年10月4日(土)~5日(日)
      4日(土):全国大会(於:横浜市開港記念会館)
      5日(日):現地見学 シンポジウムと史跡めぐり

・横浜研究会ホームページ  http://yokohama-fs.jimdo.com/

研究報告会
・日時: 2014年9月27日(土)  14:00~16:00
・会場: 聖路加国際大学
・テーマ: 「幕末江戸と外国人」
・報告者: 吉崎 雅規 (横浜都市発展記念館調査研究員)
■ 研究報告会



1858年に、いわゆる安政の5ヶ国条約が締結され、翌年から江戸に欧米の外交官が常駐するようになったが、江戸がどのように外国人を受け入れようとしたのか、或いはしなかったのか、この問題について外国公館の設置をめぐる問題を中心に、江戸期の朝鮮通信使や琉球使節およびオランダ商館長等の事例から紐解いて、横浜都市発展記念館調査研究員の吉崎雅規氏から、専門的な話を分かり易く解説戴いた。

研究報告会
・日時: 2014年7月26日(土)  14:00~16:00
・会場: 聖路加国際大学
・テーマ: 「フルベッキの群像写真の謎」
・報告者: 松井 信勝 (会員)  村上伊作 (会員)
■ 研究報告会
有名なフルベッキ宣教師の群像写真に、佐賀藩士江副廉蔵(1847~1920)が写っている。
江副は長崎でフルベッキから英学を学び藩の英語教師となり、維新後は一時新政府に出仕したが、商業に関心を示しニューヨークで有田焼の販売に従事した。帰国後はタバコ事業と関わり、のちに政府の要請により中国東北部、朝鮮、台湾等でタバコ栽培の指導を行った。
近代日本における江副およびフルベッキの事績について、江副の曾孫に当たる松井信勝氏(当研究会会員)から報告が行われた。

研究報告会
・日時: 2014年6月28日(土)  14:00~16:00
・会場: 聖路加国際大学
・テーマ: 「英学者本田増次郎(1866~1925)の生涯と築地居留地」
・報告者: 長谷川 勝政 (会員)
■ 研究報告会

本田増次郎(1866~1925)は、明治中期から大正期にかけて英学者・教育者・民間外交家・ジャーナリストとして活躍した人物。聖三一教会での受洗や立教女学校の教員として、築地居留地とも縁がある。一人娘、ハナは山本有三夫人。本田増次郎の生涯を縁戚に当たる長谷川勝政氏(当研究会会員)から、築地居留地との関連も含めて詳細な報告が行われた。


第4回 築地あじさい祭り -楠本イネ生誕祭-
・日時: 2014年5月24日(土)  14:00~16:30 (入場無料)
・場所: 聖路加国際大学にてレクチャー&あかつき公園
     シーボルト像に向け居留地散策
・主催: NPO法人築地居留地研究会



 <クリックで拡大>
研究報告会
・日時: 2014年2月22日(土)  14:00~16:00
・会場: 聖路加国際大学 601号室
・テーマ:『<高田増平>、<すま>、<政子>、<日出男>の残された記録』
・報告者: 高田 康男 (当研究会会員)
■ 研究報告会:14:00~16:00


大坂川口居留地にあった泰西学院を卒業した高田増平と築地居留地にあった立教女学校を卒業した高田(旧姓松枝)すま夫妻の明治中期から大正にかけての貴重な資料約60点が見つかり、同夫妻の孫にあたる高田康男会員が当時の居留地時代を探る。
また、高田康男会員の研究報告に先立ち、伊藤泰子当研究会理事(立教女学院・資料室)より、高田(松枝)すまさんが卒業された当時の立教女学校に関しての説明がなされた。


Copyright ©  NPO法人築地居留地研究会 All Rights Reserved.